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【CoC】幸せに抱かれる君に【七日空さん】|TRPGセッションログバンク

aoringo tools

aoringo作成のTRPG中心ツール置き場


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【CoC】幸せに抱かれる君に【七日空さん】


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どどんとふ:全チャットログ削除が正常に終了しました。

どどんとふ:このサーバでは24.0時間以上ログインすると接続が切断されます。

ひよんとふ:「七日空」がひよんとふからログインしました。

ひよんとふ:「七日空」がひよんとふからログインしました。

ひよんとふ:「七日空」がひよんとふからログインしました。

七日空:なんか立ち絵引っ張って動かせはする……変更はどうするんだろうか

黒歌 飛鳥:ほう…………

籠草 香輝:てすと

KP: 

KP: 

KP: 

KP: 

KP: 

KP: 

:*--*--*--*--*--*--*--*--*--*

: 

: 鳥は籠の中で

:     大事に 大切に

:        だから  空を   ――

: 

: *--*--*--*--*--*--*--*--*--*

: 

: 

: 

:================================

: CoC 『幸せに抱かれる君に』

:================================

: 

: 

: 

:シークレットダイス

:シークレットダイス

: 

:あなたは今、眠りに就いている。

:そろそろ目覚めようと、ゆっくりと瞼を持ち上げようとしていた。

:聞き耳をどうぞ。

籠草 香輝:.

黒歌 飛鳥:CCB<=80
Cthulhu : (1D100<=80) → 73 → 成功

:何か、音がしたような気がする。

:だが、それが何かまでは、良くわからない。

:とある休日の朝、あなたは気怠げに体を起こす。

:窓からは差し込んでくる柔らかな朝の日が部屋を包み、今日は晴れのようだ。

:何一つ変わらない、いつもの朝。

:しかし、どこか違和感を覚えるだろう。

:アイデアをどうぞ。

黒歌 飛鳥:CCB<=75
Cthulhu : (1D100<=75) → 44 → 成功

:何故だろう、あなたは全く同じような朝を体験した気がする。

:柔らかな日の光、起きた時の調子、部屋の様子。

:デジャヴを感じるだろう。

黒歌 飛鳥:「……んあ~……なんか、寝覚めが良くないというか。
変な感じがする……」

ふわふわする頭で周りを見て、首を傾げてます。
寝癖の爆発具合もなんか見たことある気がする。つらい。

:頭が爆発している。鏡を見ながら、そういえば。

:今日、香輝と会う約束をしていた事を思い出します。

:携帯や、もしくは部屋にある時計を見ると、どうやらもう約束の時間ギリギリ。

ひよんとふ:「七日空」がひよんとふからログインしました。

:食事をきちんと取る時間はなさそうだ。

:急いで用意して、家を出れば何とか間に合うだろう。

黒歌 飛鳥:「ああ゛!?また遅刻かって言われる!!普段はまだしも、今日くらいは遅刻はダメでしょ……ッ」

大慌てで爆発した頭をいつものように直して、服を着替えたりして出掛けます。

:ばたばたばた……爆発した頭はきちんと整えられる!

:そうしてあなたは、街へと向かう。

:人が行き交う街の中、ビルの壁に寄りかかっている男が一人。

籠草 香輝:「…………」貴方を見つけると、片手を上げた。

黒歌 飛鳥:「せんせ~~っ!!……今日は、セーフですか!?アウトですかっ!?」
片手をぶんぶん振りながら、息を切らしつつ近くまで行きました。

籠草 香輝:「ギリギリだな。そう聞くという事は、寝坊でもしたか」腕時計をちらりと見る。 

黒歌 飛鳥:「やった~!セーフなら良いんですよ何でも!寝坊はしました!いつもの事です!!」
ふふん、と開き直って胸を張っています。

籠草 香輝:「…………。胸を張ることじゃあないだろうが」溜息をひとつ。貴方を見やり、少しの間。

籠草 香輝:「なら、飯はまだだな」

黒歌 飛鳥:「あ、そだ。ご飯まだですね。そんな時間なかったので」
ハッ、とした様子になりました。

籠草 香輝:「言ってるだろう、飯は何かしら摂れと。――じゃあ、飯でも食いに行くか」言いながら歩き出す。

籠草 香輝:因みに香輝も忙しいときとかはゼリーで済ませるタイプだ。

黒歌 飛鳥:「せんせに言われたかないですねぇ!?たまに何かかる~く済ませてるじゃないですかぁ!
たまにご飯作ってあげてるワタシに感謝してくださいねっ!?」
いつも通り、ぴーぴーと何やら言いながらもついていきます。

籠草 香輝:「何のことだかな」短くそんな事を返して。――途中、近場のファミレスへと足が向きかけて、一拍後に細い路地へ向かう。

黒歌 飛鳥:「んえ、こっち行くんです?」
ほっそいな、と見れば分かることを思いつつもとてとてと一緒に歩いています。

籠草 香輝:「あぁ。……良い飯屋がある」細い道を少し歩けば、見えてくるのは若干古ぼけた定食店。

:がら、と少しガタつく扉を開ければ、中から中年の女性が「いらっしゃい!」と声をかけてくれる。

:適当な場所に腰を下ろして、これまた古めなメニュー表を貴方へ寄せた。

:因みに、一応1d6でメニュー決められますが割と何でも出ます(なんでも)

黒歌 飛鳥:1d6
Cthulhu : (1D6) → 6

籠草 香輝:1d6
Cthulhu : (1D6) → 5

籠草 香輝:「きつねうどんか。……俺はからあげ定食でも食うかな」

黒歌 飛鳥:「はい!きつねうどんの気分です!せんせはからあげ好きでしたっけ?」

籠草 香輝:「たまにな。こういうのが食いたくなる事もある」肩を軽く竦めて、店員を呼び注文を伝えた。

黒歌 飛鳥:「たまにですかぁ。じゃあたまに作ってあげます!流石に此処のには負けるかもしれませんが……」
へにゃ、と苦笑いを浮かべた。

籠草 香輝:「……期待はせずにいよう。それよりもコーヒーは、失敗しないようにしてくれないか」運ばれてきた水に口をつけた。

黒歌 飛鳥:「期待してくださいよぉ~!ワタシ、これでも日々料理も仕事も頑張ってるんですから!……コーヒーは、何とか……しますね」
目を逸らし、誤魔化すように水を飲んでいる。

籠草 香輝:ふ、と微かに、小さく笑った。

:――暫くすれば、互いが頼んだ料理が運ばれていくる。

:うどんはほっかほかの湯気を立てて、出汁の良い香りが漂う。その麺はつるつるつやつやで、とても美味しそうだ。
おあげも甘さがほんのりと、汁を吸って噛めばじゅわ、とした感覚が口内に広がるだろう。

:香輝の頼んだ唐揚げ定食。からっと上がった鶏肉は香ばしい匂いを漂わせ、食欲をくすぐる。
一口かじればこちらも肉汁がじゅわりと広がり、此処の店主の腕の良さを思わせる。

黒歌 飛鳥:「頂きます~!んむ……えへへ、流石せんせが選んだだけありますよぉ」
幸せそうな笑みを浮かべ、ふーふーと息を吹き掛けつつうどんを食べている。
ふと、そちらの唐揚げにも目線をやった。

籠草 香輝:「ん。…………」唐揚げを食べる。白米も口に入れた所で、視線に気付いた。

籠草 香輝:箸でひとつ唐揚げをつまむと、貴方へと向ける。

黒歌 飛鳥:「くれるんですか!?」
……とは口で言うものの、貴方ならくれるんだろうな~みたいな気持ちはあった。
なので何か欲しい時はつい見つめてしまう。悪い癖だ。

籠草 香輝:「見ておいて良く言う。ほら、俺の気が変わらん内に食え」更に貴方の方へと差し出す。そのまま食え、ということらしい。

黒歌 飛鳥:「わぁい!……あ~……むっ、あふあふ……」
向けられた唐揚げをぱくっと口に入れた。
熱かったのか、なんかあふあふ言い出す。
その様子はまるで餌を貰う小鳥かなにかのようだ。
本人は満面の笑みである。

籠草 香輝:「…………」何を言うことも無くその様子を眺める。口端が少し上がる。

籠草 香輝:鳥への餌付けの気分だ。

黒歌 飛鳥:「はふ……熱かったけど、美味しかったです……!あ、ワタシのもちょっと要りますか?」
貴方の顔を見て、何やら楽しそうなので此方もにまっと笑って見せて。
それからうどんを箸で持ち上げる。
やり返したいらしい。

籠草 香輝:持ち上げられたうどんを見る。浅い溜息をひとつ、まるで仕方ないな、と言わんばかりに少し身を乗り出して、それに口を寄せた。

黒歌 飛鳥:「せんせ、あ~んですね!あ~ん!」
何だかんだ付き合ってくれる貴方が、飛鳥はとっても好きだ。心から。
にこにこ笑いながらも、そのまま食べさせただろう。

籠草 香輝:「ん、……」もぐ、と咀嚼して飲み込む。貴方の言葉には、また溜息をひとつ。

籠草 香輝:「お前が余りにもしたがりそうだしな、拗ねられても面倒だ」

黒歌 飛鳥:「流石に拗ねませんよこんなことだけで!!……あ、でも文句は言う自信がありますよ。
もし嫌だって言ってたら、折角二人きりで今日は誰にも何にも言われないのに~~って言ってたかもですね」
貴方とこうして何も気にせずいられるのは、自分達を知らない人しかいない場所か完全に二人きりの時だけだ。
だから今日の約束を聞いた時、本当に飛び上がる程嬉しかったのだ。

籠草 香輝:「…………やれやれだな」相変わらずだな、と言った雰囲気で肩を竦める。こんなやりとりも、いつもの事なのだろう。

黒歌 飛鳥:「……ふふ、えへへ」
他人から見たら冷たく見えるような貴方のその態度に、飛鳥は小さく笑う。
呆れられても、捨てないでいてくれるのは分かってるから。
そんな貴方が、貴方と過ごす幸せな時間が、大好きだから。

籠草 香輝:鳥の楽しげな囀りが耳に届く。香輝の表情筋は硬いが、うっすらと唇に弧が描かれる事は多い。ばれないように、そっと。

籠草 香輝:そうして雑談を交えながら食事を進めて、食べ終えると一息つき、水を飲んだ。

籠草 香輝:「さて。……特に何処へ行くとかは決めていなかったが、希望はあるか」

黒歌 飛鳥:「ごちそ~さまでした!」
元気に食後の挨拶をしてから、貴方の言葉に首を傾げる。

黒歌 飛鳥:「そういや約束の時もなにも言ってませんでしたね。
希望ですか……ワタシ、せんせと一緒なら何処でも良いんですけど……」

んー、と少し悩む仕草。

「せんせは、遊園地と動物園と水族館ならどれがお好みですかっ!?」

籠草 香輝:「……そうだな……」口元に手を当てて、暫し思案。

:choice[遊園地,動物園,水族館]
Cthulhu : (CHOICE[遊園地,動物園,水族館]) → 動物園

籠草 香輝:「…………たまには動物園も良いかもしれんな」

黒歌 飛鳥:「動物園!じゃあ動物園にしましょう!
ワタシ、鳥さんとか大好きなので楽しみです!!」

籠草 香輝:「そうか」反応ひとつひとつは短くそっけない、が貴方を見守る目は突き放すものではなく。――席を立つと、勘定を済ませて外へと出るだろう。

黒歌 飛鳥:「そうです!」
ひとつひとつにも、元気に明るく精一杯返した。
外に出たら、先程とは違って手を繋ごうとするだろう。

籠草 香輝:手が繋がれる。一瞬指が跳ねるが、しっかりと握り返した。片手でスマホを弄り、動物園までの交通を確認する。

籠草 香輝:「……バスが丁度出ているな。乗っていこう」

:そうして貴方の手を引いて、バス停まで向かう。バスに揺られること、暫し。

:――休日という事もあって、そこそこ人が訪れている動物園だ。

籠草 香輝:「……流石に人が多いな」入場券を買って、1枚貴方に差し出しつつ入っていく。

黒歌 飛鳥:「そうですね~……。
あ、せんせ、手離したらダメですよ?迷子になりますから!」
差し出された券を受け取り、中に入りつつそんな事を言う。

「ふふん、これぞ気遣いが出来る女!
他の子には出来ませんよ、これは!
やっぱりワタシが必要でしょうね!」
勝手に誇っているがいつものことだ。

籠草 香輝:「はいはい」軽く返す様もいつもの事だ。手は変わらずしっかりと握り返し、軽く辺りを見渡す。

籠草 香輝:「鳥、だったか」そう呟くように零し、少しだけ遠回るように草食動物のコーナーを通っていく。動物たくさん!

黒歌 飛鳥:「鳥さんも見れたら良いですね……あ、かわいい!かわいいですよせんせ!!キリンさんが!!!」
小さな掌で貴方の手をぎゅっと握りつつ、キリンを指差してきゃっきゃとはしゃいでいる。
その辺の子供と変わらない。

籠草 香輝:「……そうだな。お前はまるで子供だな?」ちら、と貴方を見やってからキリンを見た。でかい。

黒歌 飛鳥:「童心を忘れていないんです!いつだって大きい生き物を見たらワクワクするんです~!せんせはそゆことないんですか?」
貴方がキリンを見ている様子に、今度は此方が視線を向ける。

籠草 香輝:「さぁ、どうだかな。少なくともお前みたいにははしゃがんな」 キリンははもはもと草を食べている。

黒歌 飛鳥:「まぁせんせはいつも冷静沈着ですもんねぇ。其処が良いんですけど……ワタシはすぐ取り乱すので」
今までも、自分が慌てたり困ったりした時には冷静に道を作ってくれていたのは貴方だ。

「まぁ、そんなせんせには賑やかし役のワタシが必要ですよね!感謝してください!……ね、せんせの好きな動物も見ましょ」
それは“いつもありがとう”の裏返しだった。感謝するのは自分の方だから。
それを伝えて、貴方の手をくいっと引っ張る。

籠草 香輝:「冷静沈着な飛鳥は想像できんな」そんな事を言う。実際想像ができないし、そのままで在ってくれと思う。

籠草 香輝:手を引かれれば、歩き出しつつ首を捻る。ひねりながら問い掛けには、

籠草 香輝:「好きと言ってもな。どれも似たようなものだろう」正直、これぞというものはない。強いて言うなら彼女と同じ様に鳥だ。囀りが心地よい鳥。

籠草 香輝:だから、自然と足も鳥のコーナーへと向かう。

籠草 香輝:色んな鳥が檻の中にいるようだ。

黒歌 飛鳥:「冷静とか無理です……あれ。いつの間にか鳥さんのコーナーですね。
せんせも鳥さん好きですか~!一緒です!」
嬉しいなぁ、と脱力した笑みを浮かべて、綺麗な羽を持つ鳥達を眺める。

「かわいいですねぇ、鳥さん。此処にいると自由には飛べませんが……」
見上げながら、ポツリと呟いた。

籠草 香輝:鳥を見ながら、傍の貴方を目線だけで見やる。その笑みを眺めて、呟きに。

籠草 香輝:「やはり自由に飛んでいる鳥の方が好きか」そんな事を尋ねる。手は、しっかり握り返したまま。

黒歌 飛鳥:「自由な鳥さんは好きですが、こうして傍にいてくれる鳥さんも好きですよ」
元気に鳴く鳥の真似をして、口笛を軽く吹く。それから無邪気に、くすくす笑った。

「鳥さんがどう思ってるかは分かりませんが、動物園の人や飼い主さんは鳥が好きだからこうして守ってるんです。
飼われてるインコとかは、大半は外に出たら生きていけないから不幸になりますし。
籠の中の幸せ、というのもあると思います」
何となく寄り添ってから、また鳥達を見る。この子達はどう考えているのだろう。

籠草 香輝:貴方の声を、言葉を聞く。寄り添われても離れる事はせずに、視線が檻の中の鳥へと向いた。

籠草 香輝:「そうか。……そうだな、檻や籠の中で生きる鳥や動物は、一歩外に出れば、飛び立てばどうなるか分かったものじゃない」そうしてまた、鳥を眺めながらゆっくりと歩き出す。

黒歌 飛鳥:「……ワタシも、誕生日の時にいきなり籠から放り出されましたからね」
貴方が拾ってくれる前の、家族がいなくなった時を思い出す。まだ幼く家族に守られていた自分は、飼われた鳥と同じだった。

「貴方と会えて良かったです。今こうして一緒にいられるのも、良かったと思ってます」
歩きながら、呟いた。賑やかな周りの声で、控えめなそれは掻き消されてしまうかもしれないが。
出来る事なら、貴方と言う巣から巣立ちたくないと願いつつ。それが籠だったら良かったのに、なんて俯きつつ。

籠草 香輝:放り出された鳥を拾ったのは、気まぐれに近い。たまたま、目に入った。だから、拾った。

籠草 香輝:歩きながら周囲の雑音に混じって、それでも香輝の耳は囀りを微かに拾う。全てでは、ないものの。返答の代わりに手を握る力が僅かに強くなる。

籠草 香輝:――――そうして、時折雑談を交わしながら、ある程度あちこち見終えた頃合いに。

籠草 香輝:「……何か、土産でも買っていくか?」出口近くの土産屋を、指差した。

黒歌 飛鳥:「買いたいです!お揃いの何かでも……ダメですか?」
ぱぁ、と顔が明るくなる。それから小首を傾げ、少し様子を窺った。今までは人目を気にしてお揃いの物は買いたいなんて言わなかったが、今日は一歩踏み出そうと思って。

籠草 香輝:「……揃いか。小さい物なら、構わん」貴方の言葉に口が僅かに開く。一瞬閉じて、また開けば頷きを返す。

黒歌 飛鳥:「やった!好きな場所につけられそうなストラップとかが良いですかね~?」
許可が貰えれば、目を輝かせながら土産屋に入る。中をキョロキョロと見回して、良さげなものを探して、とある物を手に取る。

「これとかどうですか?」
貴方に見せたのは、二羽の鳥とハートのストラップだ。くっつけると番である二羽が寄り添い、ハートが完成するようだ。

籠草 香輝:ぱちり、と瞬きを落とす。目を細めてから、ただ、頷きを返した。

黒歌 飛鳥:「ふふ、じゃあこれにします!すぐにつけよっと!」
嫌だと言われないか心配だったが、許可を貰えて肩の力がちょっとだけ抜けた。それをレジまで持っていき会計を済ませれば、すぐに貴方に片方を差し出そう。

籠草 香輝:「……、こういうのを見ると、お前も女子だな、と思うな」小さく呟く。差し出されたストラップを受け取って、頭をわしゃりと一度撫でた。

黒歌 飛鳥:「わ!……な、なんですか!?普段は女子扱いされてないんですかね!?」
いきなり撫でられると、少し頬を赤らめて戸惑う様子を見せる。しかし嬉しいようで、口許は緩んでしまう。分かりやすい。

籠草 香輝:「さて、どっちかというと子供やペットか」なんて、小さく笑って言葉を返す。――ストラップは、すぐに自分のスマホに付けた。

黒歌 飛鳥:「ええ~!?これでも女なんですけど!大人なんですけど!……もう!」
む、と頬を膨らませる。何だか少しばかり残念に思う。此方は意識しまくっているのに。不機嫌そうにはしつつ、ちゃっかりスマホにストラップをつけた。

籠草 香輝:「…………」ストラップを付ける様子を見る。――形状からして、つまりそういう事か、と。ストラップを付けるその手の手首を取って、軽く寄せる。

黒歌 飛鳥:「み゛ぇ、な……なんですか!?」
変な声が出て、貴方の顔をじっと見つめる。しかし大人しくしているのは、貴方は悪いことはしないという信頼故か。

籠草 香輝:「…………ふぅん?」自分のストラップを、貴方のストラップに寄せる。一瞬だけ噛み合わせて、にやりと口端を上げて貴方を見やった。

籠草 香輝:「――――さて、そろそろ帰るか」そうしてぱっと離すと、数秒瞼を落として、出口へと貴方の手を引いて向かう。

黒歌 飛鳥:「わ、……あ!」
一瞬だった。だけどいつも貴方を見つめて歌う鳥は、この一瞬だって見逃さなかった。声を漏らし、目をぱちくりさせて。……少しの間、貴方の笑みから目が逸らせなくなっていた。

「……う、うん。じゃなくて、はい!」
ぼーっとしそうになったが、貴方の声に引き戻された。慌てて返事をしてから、貴方の手をしっかり握って隣を歩いた。

籠草 香輝:隣を歩いて、バス停まで。――バスに揺られて、街に。辺りはすっかりと暗くなっていて。

:あなたの横にいる香輝は、どことなく浮かない表情をして、辺りをきょろきょろとせわしなく見渡している。

黒歌 飛鳥:「……せんせ?どうかしました?」
その様子を見て、首を傾げる。貴方が忙しないだなんて、何だか珍しい。

籠草 香輝:「……いや、何でも無い」首を横に振った。相変わらず、周囲を見渡しはするが。

黒歌 飛鳥:「ほんとですか?ならいいんです、けど」
朝の事をふと思い出して、何だかモヤモヤする。貴方から視線を逸らさないようにして、手をしっかり握る。

ひよんとふ:「七日空」がひよんとふからログインしました。

籠草 香輝:握られた手は此方からも握り返しはして。けれど周囲の様子に、少し気は取られていて。その力は緩んでいる。

:けれどもいつもどおりに。今日のことを、明日のことを時折話しながら、緑色に光る歩道橋を渡る。

:――――唐突に、貴方は背中をどん、と強く押されたような、感覚が襲う。

:その瞬間。

:あなたの体は、宙に投げ出された。

:鈍い痛みと共に、地面に叩きつけられる衝撃。

:視界が、ぼやけていく。

: 

:体はぴくりとも動かずに、周りの喧騒も水の中にいるようで、上手く聞くことができない。

:段々と重く、閉じてしまいそうな瞼。

: 

:強引にどうにか瞼をこじ開けると、視界の端には香輝の姿がある。

:彼はどうやら無事なようで、怪我などはしていない。

:自分に何が起きたかは良く分からないものの、それでも無事な姿にほっとした。

: 

:しかし、安心したのもつかの間。

籠草 香輝:「ーーーー……‥‥」

:香輝が、あなたに無感情な表情を向けている。

:心理学を行う事ができます。しますか?

黒歌 飛鳥:したいです!

:分かりました

:心理学はKPが振ります。

:シークレットダイス

:無感情、に見えるその表情は、否、しかし。

:まるで全てに絶望したようだと、あなたは感じるだろう。

籠草 香輝: 

:これを最後に、あなたの意識は闇へと堕ちていった。

: 

:シークレットダイス

:シークレットダイス

: 

:聞き耳を、どうぞ。

黒歌 飛鳥:CCB<=80
Cthulhu : (1D100<=80) → 12 → スペシャル

:意識が闇に落ちる直前、しゃらり、と。

:鎖のような音があなたの耳に入った。

: 

: 

: 

:とある休日の朝、あなたは気怠げに体を起こす。

:窓からは差し込んでくる柔らかな朝の日が部屋を包み、今日は晴れのようだ。

:何一つ変わらない、いつもの朝。

:しかし、何処か違和感を覚える気がする。

: 

:そうあなたが不思議に思った瞬間、突然激しい頭痛と共に、昨日の出来事がフラッシュバックのように頭の中を巡った。

:宙に投げられる体。

:鈍い痛み、遠くなっていく音。

:堕ちていく、意識。

:暗闇。

: 

:それは、自分の死を意味していて。

:嘘などでは済まされないほど。

:ましてや冗談にも、ただの思い過ごしとも考えられない程に余りにリアルで、真実であると、あなたは思い至るだろう。

: 

:SANC 1d2/1d3+1をどうぞ。

黒歌 飛鳥:CCB<=45
Cthulhu : (1D100<=45) → 43 → 成功

黒歌 飛鳥:1d2
Cthulhu : (1D2) → 1

:黒歌 飛鳥のSAN値が1減少しました。 (SAN:44->43)

黒歌 飛鳥:「……は?」
ショックは少なかった。頭が追い付いていなくて、状況を飲み込めていないからかもしれないけれど。
自分の死以上に、彼の顔が恐ろしかった。あんな顔、夢だとしても見たくはなかった。

「……え、と」
スマホを探す。ストラップのある、あのスマホを。
連絡がしたかった、彼の声が聞きたい。怒られてもいいから。

:貴方はスマホを手に取る。――――ただ、

:ストラップは、付いていない。

黒歌 飛鳥:「えっ」
──ない。大事なストラップがない。慌ててスマホが置いてあった付近を探す。もしかしたら取れちゃったのかもしれないから。
ちゃんとつけておかないと、自分が選んで彼に渡したんだから。彼に渡した癖に自分がつけていないなんて、可笑しいし……なんて。

:付近を探す。テーブルの周りや、床、ベッドの近く。

:だが、あなたが探しているストラップは、見つからない。

:ふと、あなたのスマホが鳴る。

黒歌 飛鳥:「……あ、」
まだ動揺してる。無くしちゃった?そんなのあり得ないでしょ、なんて思いながらもスマホを取る。

:手に取って見てみると、香輝からLINEが来ている事が分かる。

:見てみますか?

黒歌 飛鳥:みてみます

籠草 香輝:『今日は俺の家で過ごさないか』 そんな簡素な文面だ。

黒歌 飛鳥:連絡が来た事に、安堵した。だけどストラップはやっぱり見つからないし、自分の死はまだ頭にこびりついている。

『私も、そんな気分なんです。会いたいです。行かせてください』

辛くて怖くて、寂しくて。素直な気持ちを書いた。

籠草 香輝:『分かった。待ってる』 ぴろん。

:そうですね。

:スマホ画面には日時も写っていることでしょう。貴方が香輝と出かける約束をしたのは、11月25日。

:スマホ画面にある日時は、

:11月25日である事に、気付いて良い。

黒歌 飛鳥:「…………え、え、」
かたん、とスマホを落とす。日付が同じだ。可笑しい。壊れたのかな?なんて頭がこんな状況を正当化しようとする。

慌ててテレビをつけよう。ニュースの日付は、何月何日か確かめよう。

:テレビがつけられる。ニュースの時間だ。月日を確かめる。

:11月25日だ。

黒歌 飛鳥:「あ」
縋った先まで、ただ淡々と事実を突きつけてくるだけだった。怖くなって、せめて服だけ着替えて、最低限の物だけ持って彼の家へと走り出す。

テレビはつけっぱなしだった。もう見たくなかった。触りたくもなかった。今はただ、この世界の全てが恐ろしかった。

:貴方は、家を飛び出した。

:香輝の家まで付いてインターホンを押せば、すぐに彼が扉を開く。

籠草 香輝:「早かったな」そう告げて、中へと促した。

黒歌 飛鳥:「せんせ、せんせ……」
縋るように鳴いて、服を掴みながら中に入った。いつもなら『遅刻はやめにしましたよ!』とかふざけてたのだろうが。

籠草 香輝:「――?……とりあえず、入れ」様子がおかしい。ゆるりと首を傾げて、背中にて片手を当てながら、扉をばたん、と閉める。

:中に入れば、部屋は散らかっている様子はなく、きちんと綺麗に片付いている。

:目につくものは、ふかふかのベッド、整った机、ゴミ箱、クローゼット。

:あなたを部屋に通し、香輝は

籠草 香輝:「とりあえず、飲み物持ってくるから座ってろ。

籠草 香輝:……部屋から出るなよ」

:そう言い残して、そっと服を掴む手を外し、頭を撫でた後すぐに席を外した。

籠草 香輝: 

:部屋にあるものに目星をする事ができます。

黒歌 飛鳥:「ぅえ、せんせ……や……ぁ」
手を伸ばそうとした。我儘を言おうとした。だけど貴方の意に反する事はしたくなくて、怯えながらも手を引っ込めた。

飛鳥は何となく、安心したくて彼のベッドの近くに向かう。ベッドに目星を振りたいです。

:どうぞ!

黒歌 飛鳥:CCB<=70
Cthulhu : (1D100<=70) → 61 → 成功

:ベッドに何気なく視線を向ける。

:ベッドの下に、何か写真の束のようなものがある。ほとんどが鳥の写真だが、

:ーーーーその間に挟まるように、数枚。貴方の写真や、貴方と写った写真があった。

黒歌 飛鳥:「……鳥さんと……私……」
写真をひとつひとつ見ていって、その中にある数枚自分と彼の写真があるのに、妙に安心した。一緒にいたという証は、少しだけ気持ちを落ち着かせてくれる。

黒歌 飛鳥:写真に目星とか振れます?

:写真に目星をしても、特に何もないですね。

黒歌 飛鳥:何もなかった。安心。
じゃあ元に戻して机を目星振りに行きます。

:はい、どうぞ!

黒歌 飛鳥:CCB<=70
Cthulhu : (1D100<=70) → 42 → 成功

:机には、ちょっとした本棚のようなスペースがある。

:ふと、そこに辞書と混じって、紅い斑点がところどころある日記を見つけた。

黒歌 飛鳥:「……なにこれ?」
紅い斑点が気になる。そういう模様ではなさそう、だろうし。取り敢えずそれを、こっそり見てしまおうか。怒られるかもしれないが……。

:まだ部屋の主は戻る気配はない。

:問題なく日記は見られるだろう。

:日記をぺらぺらと捲ると、その日のことを淡々と、時折貴方のことや、時には不満や怒りなどが書かれている。

:途中まではそのような、何の変哲もない日記だが、半ばあたりから少し乱雑な文面になっている。

:ここから少し長くなります。

: 

: 

:11月25日

:飛鳥が、死んだ。

:突然の事だった。

:折角だからと一緒に出かけた、帰りの電車のホーム。

:少しだけ目を離しただけで。

: 

:お前は飛んで逝ってしまった。

:いつもいるはずの、お前が、隣にいない。

: 

:…………いない。

: 

: 

:11月26日

:静かな研究所から戻ってくる。

: 

:飯を食う気にもならなくて、

:寝ようとしたらいつの間にか可笑しな男が部屋にいた。

:戸締まりはしたし、さっきまでいなかった筈なのに、空き巣か、何かか。

: 

:見ていれば、楽しげに笑いながら懐中時計を見せてきた。

: 

:「その時計は少しばかり不思議な力がある。

:君がそれを握って強く望めば、時を巻き戻せる。

:もしかしたら、君の大切な飛鳥君を助けられるかもね」

: 

:なんであいつを知っているんだ。

:第一、そんな夢か物語みたいな事があるわけがないだろう。

: 

: 

:11月24日

:奇跡だ。

: 

:飛鳥が、いた。

: 

:いや、日付が戻っていた。

:生きている。

:生きて、いつものように俺の傍で囀っている。

: 

:……鳥籠の扉は、しっかりと閉めないと。

: 

: 

:11月25日

: 

:  嘘だろう?

: 

:電車は、使わなかっただろう?

:毒?……事件?

: 

: 

:11月25日

:今日は外出はなしだ。

:こまめに連絡も取った。取り合った。

: 

:何故だ。

:どうして。

: 

:空き巣に?

: 

:馬鹿を言うな。

: 

: 

: 

:暫く白紙だ。

: 

: 

: 

: 月 日

:……今はいつだ。

:何回目だ。

: 

:また、逝ってしまった。

:鳥は飛んでいく。

: 

:今の俺を見たら、あいつは何を思うだろうか。

: 

:何度も

: 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も

: 

:あいつを、を殺している。

: 

:すまない。

:すまない……だが、だが次こそ。

: 

:……次こそ、助ける。

: 

: 

: 月 日

: 

:次こそ

: 

: 

: 月 日

: 

:とても、くるしそうだった、

: 

: 、

:殺した、

: 

: 

: 月 日

: 

:    つ ぎ

: 

: 

: 

:また、暫く白紙が続く。

: 

: 

: 

: 月 日

:二人共に助かろう、等と。

:最初から。

:そう、最初から。

: 

:同じ――対価が必要な――で――

: 

:この先は、文字が酷く掠れていて、読むことができない。

: 

: 

: 

:では。

:この何度も同じ日を繰り返し、そうしてその中で何度も死んでいる自分をそこに見たあなたは、1d2/1d3+1のSANCです。

黒歌 飛鳥:CCB<=43
Cthulhu : (1D100<=43) → 59 → 失敗

黒歌 飛鳥:1d3
Cthulhu : (1D3) → 2

:黒歌 飛鳥のSAN値が3減少しました。 (SAN:44->41)

黒歌 飛鳥:「嘘でしょ。……嘘、嘘だって、嘘」
飛鳥は初めて知った。本当に“必要”とされていたことを。

『ワタシが必要でしょう?』
その言葉はただのまじないだった。自己にかけ続けた暗示で、呪いだった。そう思うことで、間抜けな自分に価値をつけていた。

でも、飛鳥は初めて思った。もう“必要”としないでくれと。
ワタシを必要とすることでこんなに苦しむくらいなら、必要となんかされたくないと思ってしまった。

知らず知らずの内に、長い長い時間をかけて、自分の存在が貴方を苦しめていただなんて、思いたくない。思いたくない。また、自分が生まれた事が嫌になりそうだ。

:日記を読み終えると扉の外から足音が聞こえる。

:主が戻ってきたようだ。日記は戻す事もできるし、そのままにもできる。

黒歌 飛鳥:「……」
日記は恐る恐る、片付けよう。貴方に見せるのすら、酷に思えたから。

:日記は、元の場所に片付けられた。

籠草 香輝:「コーヒーしか無かった」 と、言いながら扉を開く。盆の上にはコーヒーカップと、角砂糖の入れ物だ。

籠草 香輝:それらを机の上に一度置いて、カップをひとつ差し出す。

黒歌 飛鳥:「何でもいいです……何でもいいです、何でも」
動揺が隠せず、何度も同じことを繰り返した。差し出されたカップを手に取り、すぐに口をつける。

普段は角砂糖は二つ入れていたけど、今は苦味が欲しかった。嫌になるくらいの苦味で、自分が今生きていると知りたかった。

この生すら、まやかしかもしれないが。

籠草 香輝:「…………どうした?本当に」来たときから、様子がおかしい。砂糖も入れずにコーヒーを飲んでいる。自分の分のカップは机に置いて、貴方に近付くと頬を撫でた。

黒歌 飛鳥:苦かった。普段なら素っ頓狂な声を上げて、呆れられたり、そんな風に出来た筈だ。
今はダメだ。苦くても、苦いという事実だけ。

「……せんせ、せんせぇ、香輝、さん」

「こわいです、こわい、わたし、あなたをきずつけていませんか?」

震える手でカップを下ろして、尋ねた。

籠草 香輝:「…………」じっと貴方を見つめる。頬を一度だけ撫でて、頭にぽん、と掌を置く。

籠草 香輝:「どうした、急に。そんな事、ある訳がないだろう」ーーきっぱりと、言いきった。

黒歌 飛鳥:言って良いのか分からない。今までのワタシは、どうしていたんだろう。ずっと気付かずに、知らずに、繰り返していたのだろうか。思い出せずに、ずっと。

「……わたし、ストラップをなくして、こわくて、また11月25日で、だから」

上手く話せない。考えが纏まらなくて、涙が出そうになりながら紡ぐ。

「香輝さん、香輝さんはなにかしってるんですか、なにもしらないんですか?」

籠草 香輝:瞬きが、何度も落とされた。少し驚いたように僅かに口が開いて、わしゃり、と頭を撫でる。

籠草 香輝:「…………悪い子だな。もしかして、見たのか。それとも、”今日”を覚えていたのか」眉を下げて、笑う。優しげに。

黒歌 飛鳥:「なんでそんな顔するんですか!!!どうして、どうして、」

「どうして…………」

貴方の服を掴み、揺さぶる。どうしてこんな時に、そんな顔をするんだと。もっと別の時に見たかった。そんな顔は、今、見たくない。

「————どちらもです。覚えていましたし、見ました」

項垂れて、答えた。

籠草 香輝:ただ、黙って揺さぶられる。表情は変わらない。普段動かない表情筋は、こういう時には勝手に柔らかく動いてしまう。

籠草 香輝:「……そうか」返ってきた言葉には、ただ短く答えて、頭を撫で続ける。不器用な男はそれしかできない。

黒歌 飛鳥:邪魔になりたくなかったから、我儘は言わなかった。貴方の意に反する事は、なるべくしなかった。
だけど今はそんなことどうでもいい。徐に、強引に抱き締める。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ワタシの所為で、ワタシの所為で、こんな……つらい思いを、してるんですか」

「ワタシ、ワタシがあんな事言って、のろいをかけてしまったんですか」

籠草 香輝:「謝罪などいらん。……お前を助ける為ならこんな事、どうって事はない」

籠草 香輝:抱き締められれば、そっと両腕を貴方の背中に回す。優しく、優しく、愛しい小鳥が潰れてしまわないように。

籠草 香輝:「……のろい等とは思わん。いや、――逃げられなくさせたのは俺だから。お前のせいじゃ、ない」

籠草 香輝:逃げられなくさせた。逃せなくなった。逃さないようにしたのは己の意思だ。

黒歌 飛鳥:「どうしてですか……ワタシはとても間抜けなんですよ。役立たずなんですよ。皆に嫌われるし、資料はぐちゃぐちゃにするし、コーヒー一杯すら貴方に作ってあげられない、馬鹿な女なんですよ」

「ただ、貴方が好きなだけだった。それしか取り柄がなかった。そんな女なんですよ」

なのにどうして。必要とされているのに、こんなにも苦しくて、辛くて。

「ワタシにそんな価値、なかったのに、」

「もうこれ以上苦しめたくないです……嫌です、貴方が苦しむのは嫌です!!」

籠草 香輝:「…………飛鳥、」こつり。額を合わせる。顔が近い。

籠草 香輝:「俺は、お前が自由になって飛び立つのをただ許せなくなったんだ。空っぽの籠は――――」寂しい。辛い。そんな事を小さく、小さく、呟くように零す。だけれど。

籠草 香輝:「でも、籠の中で冷たくなる鳥を俺は見たくない。動かない鳥を。囀ることのしない鳥を――……俺はもう、見れない」

籠草 香輝:絞り出すような声は、身体に力を入れても、震える。

:何度も。幾度も見てきた光景に、男は最早限界だった。
声と様子から、貴方はそれを察しても、良い。

黒歌 飛鳥:「…………もう、やめてよ、香輝さ、……」
額を合わせたまま、ぼたぼたと涙を溢す。鳥は泣く。歌う為の口から、嗚咽を漏らす。
このままじゃ貴方は壊れてしまう。——否、もう壊れかけているのかもしれない。

「う、ゥう、ァあ、あぁ……!やだよ、やだよ、もうくるしまないでよ、必要としないでよ、やだぁ……!!」
貴方をどうにかしてあげたい、そんな気持ちだけが降り積もる。これではまるで、ワタシは鳥ではなく貴方の首を絞めるただの鎖じゃないか。
それではまるで、自分が貴方を殺すのと同義ではないか。

「それでもいやなら、っ、どうにかするから、ワタシが、どうにか……どうにか……っ」
そんな事を出来る保証など何処にもないが、今はただ必死だった。

籠草 香輝:額を合わせたまま、抱きしめる腕の力が少し強まる。先程よりもしっかりと、腕の中に鳥を収める。

籠草 香輝:「飛鳥……籠は、お前の為にある。なぁ飛鳥、……大丈夫だ。俺はお前をきっと救う。お前が救われれば、俺も安心する。どうにかしてくれると言うのなら――――」

籠草 香輝:あぁ、これはきっと。呪いの言葉になる。開けていた扉を締めて、鍵をかけることになる。酷い男だと己で思う。それでも、口に出せずにはいられなかった。どこまでも、どこまでも、利己的に。貴方を救いたいが為に。

籠草 香輝:「生きてくれ。生きて、広い空を、飛び回ってくれ」

籠草 香輝:――――これはきっと、飛ばさずに己の籠に、永遠に閉じ込める言葉なのに。

黒歌 飛鳥:救う?救うって、なんなんだ?飛鳥は疑問に思う。もし救われたとて、生きたとて、貴方が壊れてしまったら、その救いに何の意味があると言うのだろうか?

「……、……香輝…………」

小さい頃は、そんな風に呼んでいた気がする。いつの間にか、好きになる内に、邪魔にならないような距離を置いていた気がする。
ずっと必要としてた癖に、隠して、我慢して、ひっくり返して。
こんなことになるくらいなら、ちゃんと話しておけば、良かったのに。

「香輝は、そうして欲しいんだね……?」

貴方の願いは何でも聞いた。貴方の助けになるように、貴方の力になるように生きてきた。
願いに似た呪いは受け入れがたかったが、此処までしてくれた貴方の呪いを嫌がる事も、出来なかった。
それ以上は言わなかった。それは肯定だった。どうにか出来るなら、貴方のその呪いに従順に従ってしまおうと、思った。

籠草 香輝:ぎゅう、と。呼び捨てられた名と、肯定のような言葉に、一層強く抱き締める。

籠草 香輝:きっと息が詰まる程に。――そうしてくれ、と答えるように。

籠草 香輝:「ありがとう」

籠草 香輝:声は絞り出された。暫くの間そうして抱き締めて、片腕を外すと貴方の涙を手の甲で拭う。

籠草 香輝: 

:――――後は、暫しそうして、話をしたり。
撫でたり、時折今までになく笑顔を見せて。

:窓の外が大分暗くなった頃。

籠草 香輝:「……少し、外に出るか。外の空気が吸いたい」 そう告げて、貴方を外へと誘った。

黒歌 飛鳥:「……うん、そうしよう」
すっかり、染み付いていた敬語は剥がれていた。昔のように、距離を考えずに。
本当に、童心のままに、話していた。

籠草 香輝:「じゃあ、行くか」――男は、殆どいつもどおりだ。ただ貴方を見る目が、酷く、優しいだけで。

:静かな夜の道を、2人で歩く。

:ぶらぶらと歩いて、暫く。

:ふと、目の前に深くフードを被って歩いている一人の人間が視界に入る。

:歩いて、互いにゆっくりと近付いていく。

籠草 香輝:「……!!」

:彼とすれ違う瞬間。

:あなたはいきなり強い力で、香輝に引っ張られ、道に尻もちをついてしまった。

:そして、思わず香輝に視線を向けると、

籠草 香輝:「……ッ、ぐ、ぅ……!」

:膝をつき、

黒歌 飛鳥:「ッ……!!?」

:真っ赤な腹部を、抑えている、姿。

: 

:額からは脂汗がにじみ、顔色は紙よりも白い。

:傷は相当深いのだろう、血を大量に流し、地面は鮮血に染まっていく。

:応急手当をするにしても、救急車を呼ぶにしても、とても間に合いそうにはない。

籠草 香輝:「…………っ」

:直後、ふらりとその体が傾き横たわるようにして倒れ、同時にかしゃん、という音が鳴った。

:視線を向ければ、懐中時計が落ちている。

: 

:刺した人物は既に素早く凶器を抜き取り、走り去ってしまっている。

:その場には、刺すのに使ったのだろう、赤く血に染まるサバイバルナイフが落ちている。

黒歌 飛鳥:「香輝、香輝ッ?!香輝!!!」
すぐに近づいた。こんなの間に合わないことは、彼に近づく為に医学を学んだ自分が一番分かってた。
——懐中時計に視線を向ける。

:懐中時計は、手に取れる距離にある。

黒歌 飛鳥:恐る恐る手を伸ばして、強く握りしめようとする。彼を失いたくない、生きていて欲しい。こんなのは有り得ない。意味が分からない。助けてくれと縋ろうとする。

それを彼が望んでいるかは分からない。でも、ワタシは、

彼もこんな気持ちだったのだろうか?何十、何百、何千、何万。
数えきれないくらい、こんな気持ちだったのだろうか?

籠草 香輝:「――――っ、ぁ、」

籠草 香輝:貴方が懐中時計を手にする様を、見る。

籠草 香輝:「やめろ……やめろッ……!!それは、ッ、……だめだ……!!」

籠草 香輝:冷静な香輝の姿は、そこにはない。血まみれの手で必死に縋り付いて首を横に振った。

籠草 香輝:「たの、む……もう……それ、は……壊せ…………壊して、くれ……」

黒歌 飛鳥:「でも、でも、でも死んじゃうんだよ!?香輝が、香輝が死んじゃうのに!?」
ぴた、と手が止まる。これに縋らなかったら、何が貴方を救うんだ?一体何が、貴方を助けてくれるんだ?ワタシのこの気持ちは、一体誰が掬ってくれるんだ?

「………………ッ、やだ、やだ、やだ、あああああああ……ああああああ……!!!!」
何が嫌なのか、もう自分にも分からない。何がしたいのか、分からない。
離れたくない、傍にいたい。
でも、でも、でも、貴方は、最後まで呪いをかけてくる。

「ああああああああああ!!!!!!」

懐中時計の方に手を、伸ばして、

黒歌 飛鳥:伸ばした手を大きく、振り上げて、


————叩きつけた。


何度も何度も、何度も、両手を叩きつけようとする。
乱暴に、感情のままに、ただひたすら、がむしゃらに。
血が出ようが、痛かろうが、どうでもいい。
どうでもいい。どうでもいい。どうでもいい!
壊れてしまえ、壊れてしまえ、壊れてしまえ!!

:確認をします。

:貴方は懐中時計を、壊す。――――良いですか?

黒歌 飛鳥:壊します。彼がそう望んだので飛鳥は壊します………………

:懐中時計を、あなたは両手で必死に叩き続ける。

:時計は、硬い。だから、貴方の両手は血で赤くなっていく。でも、

:ばきり、と音を立てて、懐中時計は破壊された。

:そして、壊れたそれからは、淡い玉虫色のモヤのようなものが立ち上り、すぐに霧散していく。

籠草 香輝:「…………」

:それを見ていたのかは分からないが、香輝は酷く安心したように微笑んで、ゆっくりと瞼を落とした。

:そして、それきり、

:ぴくりとも、動かなくなる。

: 

黒歌 飛鳥:「……香輝?」

: 

: 

: 

:どれほどの時間が、経っただろうか。

:そのまま呆然と佇む貴方の元へ、いつ呼んだのだろうか。

:警察や、救急車がけたたましい音と共に現れる。

:香輝は救急車へと乗せられ、あなたは事情聴取の為に警察署へと連れて行かれた。

: 

: 

: 

:それからほどなくして、あの時の犯人が捕まった、というニュースが流れた。

:それを知っているか、どうか、分からないが、

: 

: 

: 

: 

:あなたは、欠けた日常へと戻っていくだろう。

: 

: 

: 

:―――*―――*―――*―――*―――*――

: *--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--

:  CoC 『幸せに抱かれる君に』

:      ===可逆の時計===

: *--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--

:―――*―――*―――*―――*―――*――

: 

: 

: 

: 

: 

: 

: 

: 

: 

:/

:どんな理由であれ自分が死ぬ→バッドEND

: 

:香輝に抱きかかえられ、遠のく意識の中で彼が叫んでいるのが分かる。

:しかし、あなたの唇はひゅうひゅうと今にも途切れそうなか細い息を紡ぐことしかできない。

:いつかのように安心させてあげられるような言葉は出ない。

:せめて、と鉛のように重たくなってしまった腕を持ち上げて撫でようとするものの、

:それはまるで自分の体じゃないかのように、動かない。

: 

:血が、

:生命が、流れていくのが分かる。

: 

:瞼が、ゆっくりと、下がっていく。

: 

: 

:どうしようもなく、眠くなる。

: 

: 

: 

:抗いきれない、眠気。

: 

:  次第に、

: 

: かれの  絶叫すら  も

: 

: 

:遠く

: 

: 

: 

:      とおく  ……

: 

: 

: 

:死合わせに抱かれ

: 

: 

: 

: 

: 

:NPCがPCを止めた後、AFを壊さないで懐中時計を
使う→ノーマルEND

:血に濡れた懐中時計を、強く、強く握りしめる。

:そしてあなたは香輝の事を強く思うだろう。

:死んでほしくない、ここで終わってほしくない、助けたい、彼を。

: 

:その瞬間、激しい目眩を覚え、意識が遠のく。

:しかし、不思議と恐怖や不安は感じない。

: 

:……なぜなら、巻き戻ったその先に、

: 

: 

:君がいるから。

:何一つ変わらない、いつもの朝。

:あなたは手にした懐中時計と共に、出かける約束をしている香輝の元へ向かうだろう。

: 

:――あの日と同じように、彼と日常を過ごす為に、生きている彼に、

: 

: 

:逢うために。

: 

: 

: 

: 

:不可逆の時計

:/

:NPCがPCを止めた後、AFを壊さないで懐中時計を使わない→ベストEND

: 

:突如、握り締めていた懐中時計から出てきた、きらきらと淡く玉虫色の澄んだ粒子が香輝を包む。

:その瞬間、あれだけ流れていた血がぴたりと止まり、傷口へと吸い込まれていく。

:それはまるで、時が巻き戻るように。

: 

:その現象に驚くあなただが、次第に強まる光に耐え切れなくなり、目を閉じてしまう。

: 

: 

:そして、次にふっと目を開けたあなたは、

:一番に天井が視界に入った。

: 

:体を起こし、辺りを見回せば、そこが自分の部屋であり朝日が差し込んでいる事に気がつくだろう。

:そして、斜め下をふっと見ると、そこには香輝がベッドの淵にもたれかかるようにして眠っていた。

: 

:あなたが彼を起こそうと軽く揺らすと、程なくして、ゆっくりと目を開ける。

籠草 香輝:「……ん、ぅ……」

:あなたは、何があったのかと問うだろう。

:香輝は、それにひとつひとつ、答えていく。

籠草 香輝:「目が覚めたら、俺とお前が昨夜、道路で倒れていたんだ」

籠草 香輝:「だから、ここまで運んできた」

籠草 香輝:「今日は、11月26日の、朝だ」

: 

:そうして、一通り話し終えただろうか。

:ふと香輝はあなたに向けて、にっこりと嬉しそうな笑顔を浮かべた。

:幸せそうに。他愛のない会話を、挟む。

籠草 香輝:「…………」

籠草 香輝:「―――、」

:そんなあなたに、ふと、香輝が懐かしむように双眸を細め、

:先ほどとはまた違う、柔らかな笑みを向けて口を開いた。

: 

籠草 香輝:「それにしても、リアルだな……。

籠草 香輝:まるで本物のお前を見ているようだ……。

籠草 香輝:なぁ、……なぁ、飛鳥。

籠草 香輝: 

籠草 香輝:俺は今……とても、幸せだ」

: 

:胡蝶の夢

:/

籠草 香輝:「……待ってる、此処で。お前が飛んでくる日まで。俺は、ずっと」

黒歌 飛鳥:「全く、まさか香輝せんせワタシを籠に閉じ込めるようなシュミだったとは知りませんでしたよ!」

「……でも、嬉しいです。好きですから。————いつか其処まで飛び立てる力を得ますから、待っていてください」

「貴方にはワタシが必要だし、ワタシにも貴方が必要なのだから」

ひよんとふ:「セブソラ」がログアウトしました。


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